うんちく星人の雑学部屋

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有酸素運動をすると太りやすくなる?

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こんにちは。うんちく星人です。

 

食欲の秋、ついつい美味しいものをたくさん食べてしまいますよね。

そして冬になると家にこもって動かなくなる、、、

そう、これからどんどん太っていく時期です。

 

では皆さん、太ってしまい「痩せたいなぁー」と思ったとき、何をしますか?

大抵の人はランニングをしたり、食事制限をしますよね。

でもランニングなどの有酸素運動ファスティングという食事制限は、太りやすい身体にしてしまうんです。

今回は、有酸素運動で身体が太りやすくなる原因について解説していこうと思います!

有酸素運動で太りやすくなる原因

代表的な有酸素運動としてランニングやサイクリング、水泳、ジョギングなどがありますが、これらはすべて太りやすい身体にしてしまう原因になってしまいます。

なぜかというと、有酸素運動は褐色脂肪細胞中のUCP1というタンパク質を減少させてしまうからです

 

褐色脂肪細胞とは

褐色脂肪細胞は、肩甲骨周辺に多く存在する褐色の細胞で、私たちが一般的にいう皮下脂肪などを構成する白色脂肪細胞とは働きが違います。

白色脂肪細胞は、主にエネルギー源の貯蓄を担っています。そのエネルギー源が中性脂肪(トリグリセリド)で、白色脂肪細胞の中身のほとんどは中性脂肪です。

それに対し、褐色脂肪細胞の主な働きは、中性脂肪を燃焼して熱エネルギーに変えることです。つまり、白色とは真逆の働きをします。

 

褐色脂肪細胞は、年齢とともに増加することはなく減少していく一方です。赤ちゃんで最も多く、その後減少していきます。中年になっていきなり太りだす人が多いのは、褐色脂肪細胞が急激に減少することが原因の一つです。

 

褐色脂肪細胞の中のUCP1

褐色脂肪細胞の中で、脂肪燃焼に関わっているのがミトコンドリア中に存在するUCP1(脱共役タンパク質1)というタンパク質です。

UCP1は、FFA(遊離脂肪酸)を分解して熱エネルギーに変換する働きがあります。FFAは中性脂肪がHSL(ホルモン感受性リパーゼ)によって分解されることによって生成されます。HSLはノルアドレナリンやグルカゴンなどのインスリン拮抗ホルモンがミトコンドリアのβ受容体に結合することで活性化されます。

<脂肪燃焼の流れ>

インスリン拮抗ホルモンがミトコンドリアのβ受容体に結合

②HSLが活性化し、中性脂肪をFFAに分解する

③UCP1がFFAを分解し、熱エネルギーに変換する

 

つまり、UCP1があれば運動をしなくとも勝手に脂肪燃焼してくれるのです。

褐色脂肪細胞は、もともと体温維持のために存在するもので、筋肉量が少なく筋肉や臓器で熱産生がしにくい赤ちゃんに多いのはそのためです。

 

体内には、UCP1と同じ働きをするUCP2とUCP3もあります。UCP2は主に白色脂肪細胞、UCP3は主に骨格筋細胞に存在しますが、どちらも熱産生能力はUCP1に及びません。

事実、
1.肥満動物では UCP1 の機能が低下している
2.多食しても肥満しない動物は UCP1 が増加している
3.人為的に UCP1 の発現を低下させたマウスは肥満し高発現マウスはやせる

などの研究結果が報告されています。

UCP1の増減が肥満を左右するのです。

このことから、太りにくい身体を維持するにはUCP1を減少させないことが重要となることがわかります。

 

有酸素運動とUCP1

さて、なぜ有酸素運動をするとUCP1が減少するのでしょう?

 

それは、有酸素運動を続けるために身体は糖質や脂質の利用効率を上げようとするからです。

有酸素運動は細胞呼吸によって得られたエネルギーを利用します。

細胞呼吸は、酸素とエネルギー源(脂肪酸アミノ酸グルコースなど)を利用してATP*1を作ります。そのATPを運動エネルギーに変えています。

このとき、すべてのエネルギー源をATP産生に利用するのではなく、ある程度の余剰が残ります。その余剰をUCP1が熱に変えているのです。

しかし、有酸素運動を長時間続けると、身体は「止まるわけにはいかない」と、限られたエネルギー源でできる限りATPに変えてやろうとして、余剰を再度エネルギー源に使おうとします。つまり、身体の燃費を上げようとします。

 

「UCP1による熱産生がなくなると体温下がるんじゃない?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。

運動すること自体で熱は発生します。ATPの分解や筋肉の摩擦熱によって、体温を上昇させることができるのです。

UCP1のある褐色脂肪細胞は体温維持が主な役割です。

運動で体温が上昇すると、褐色脂肪細胞は「熱産生しなくていいや」と思ってしまい、UCP1の発現を減少させます。せっかく褐色脂肪があっても、UCP1の数が減ってしまえば脂肪燃焼はできません。

 

要するに有酸素運動を長時間続けることによって、細胞は、「エネルギー源の利用効率(燃費)を上げよう!」、「体温は運動で上がったし、無駄に熱発生させる必要ないな!」と思ってUCP1を破壊するんです。

 

UCP1が破壊されたら、通常時の脂肪燃焼が減り、ATP産生時の余剰は白色脂肪細胞に蓄えられてしまいます。

だから、長時間の有酸素運動を毎日やって痩せた人はリバウンドしやすいです。

短時間の有酸素運動ならUCP1を減少させないそうですが、まあ、短時間の有酸素運動なんて消費カロリーがほとんどないから毎日やってもあんま変わらないと思います。

 

まとめ

まとめると、

 有酸素運動をする
→ATP産生と分解によって熱が発生する
→褐色脂肪細胞が、UCP1による熱産生は必要ないと判断する
→UCP1が減少する
基礎代謝が下がる

=太りやすい身体になる。

といった感じです。

 

このままだと、「じゃあどうやってダイエットすればいいの、、、」とモヤモヤが残ってしまいますよね。

だから次回は、太りやすくならないダイエット方法について記事を出したいと思います!

続きが気になる方は是非次回も見てくださいね!

 

unchiku-seijin.hatenablog.com

 

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*1:ATP(アデノシン三リン酸):生命活動の動力源。生き物は動くときATPを分解して運動エネルギーに変換する