うんちく星人の雑学部屋

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「泥酔」の泥の意味はなにか?

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こんにちは。うんちく星人です。

 

緊急事態宣言が解除され、お店でのお酒が解禁されましたね。

私はといえば、今年に入ってほとんど居酒屋に行けていないです。

ワクチンも2回摂取したので久々に居酒屋でお酒が飲みたいものです🍺

 

お酒と言えば、調子に乗って泥酔する人がよくいますよね。

私も学生時代は馬鹿みたいにウイスキーや焼酎を飲んで泥酔していました(笑)

また、居酒屋の店員でもあったので、泥酔している大人をよく見ていました。

 

ところで、この「泥酔」という熟語の泥という字はどこから来たのでしょうか?

今回は、「泥酔」と「泥棒」の泥という字のうんちくを紹介します!

「泥酔」の泥の由来

正体を失うほど酒に酔うことを「泥酔」と言います。

これは、酒を飲んで帰宅途中につまずき、水たまりに倒れこんで泥だらけになるから「泥酔」というわけではないそうです。

実は、この「泥」とは3世紀の中国(呉)の朱応という人物が書いた『扶南異物志』という書物に出てくる「泥(でい)」という生物から来ているそうです。

異物志によると、泥(でい)はナメクジのような見た目をしているそうです(架空の生物)。

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こんな感じ?

泥(でい)は、海の中では元気に動き回りますが、陸に上がるとグンニャリして、まるで泥のようになってしまうようです。

千鳥足になって脱力したような酔っ払いが、この泥(でい)に似ていることから、泥酔と呼ぶようになったそうです。

ちなみに中国語では、「泥酔」を「泥醉」、「泥酔する」を「烂醉如泥」と書くそうです。

 

[蛇足]トラ箱のトラの意味は?

迷惑をかける酔っ払いを一時的に警察が収容する保護室のことを「トラ箱」といいますが、この「トラ」の語源は何でしょう?

 

女房言葉*1で酒を「ささ」と読むことがあります。「ささ」から連想されるのは「笹」。そして、絵画において、笹といえば虎(「梅に鷹」などと同様に、古くから画題とされてきた)がセットだったのです。

だから、「笹といえば虎」、「酒(ささ)といえば酔っ払いがつきもの」という感じで、酔っ払いのことをトラと呼ぶことになったのです。

皆さんも街で酔っ払いを見かけたら「あ、トラさんだ!」と呼んでみましょう。このうんちくを知っている頭の良い人ならきっと「酔っ払いじゃねぇー!」と怒鳴ってくるでしょう(笑)

 

ちなみに、「トラ箱」と「ブタ箱」は意味が違います。ブタ箱は被疑者を収容する留置所のことで、罪を犯したと思われる人物を収容する場所です。酔っ払いは別に犯罪者ではないですからね。

留置所は、昔は養豚所並みに劣悪な環境だったそうなのでブタ箱と呼ぶようになったそうです。

 

「泥棒」の泥は?

泥棒の泥は全く違う語源です。語源の由来には2つの説があります。

説①

その昔、泥棒のことを、「押収坊(おしとりぼう)」と呼んでいたそうです。

それが略されて「とりぼう」となり、さらに変化して「どろぼう」になったという説です。

このように、本来の言い方から変化した言葉は結構あります。

例として、「心太(ところてん)」は最初、そのまんま「こころぶと」と呼んでいたのに、「こころた」→「こころてい」→「こころてん」→「ところてん」と時代とともに変化しています。

説②

そのまんまですが、犯行中に顔を見られないように、泥を塗って顔を隠していたことから泥棒とよぶようになったとする説です。

風呂敷や手ぬぐいなどの道具が発展していなかった頃は顔を隠す手段として泥を塗るくらいしかなかったため、泥棒はよく顔に泥を塗って民家や店に侵入していたそうです。

また、見つかった時に抵抗できるように、木の棒を持っていたから、棒という字があてられたとか。

 

私は、説①が正しいんじゃないかと思います。

「泥」や「棒」という字は、大昔では読み方や意味が違っていたかもしれないので。

 

まとめ

いかがでしたか?

泥酔という言葉は、ほぼ中国語のまま日本語になった言葉ということがわかりました。

他にも面白い言葉のうんちくがあったら記事にしていこうと思います!

 

皆さん、酔っぱらって誰かの家に侵入して泥酔泥棒野郎にならないように、気をつけてお酒を楽しみましょう(笑)

 

ではまた!

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*1:女房言葉:室町時代初期頃から宮中や院に仕える女房が使い始め、その一部は現在でも用いられる隠語的な言葉。文字詞、女中詞ともよばれる