うんちく星人の雑学部屋

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火とは何か?

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こんにちは。うんちく星人です。

最近いっきに寒くなってきました。

私は北海道に住んでいるので、最近朝は灯油ストーブを焚いています。

灯油ストーブは電気ストーブと違って、火が出ていて暖かくなっているって実感できるから結構好きです。

そこで気になる疑問、火っていったい何なの?

熱?光?それとも気体?

今回は身近だけど意外と説明できない「」の正体について簡単に説明したいと思います。

火の正体

結論から言うと、火とは物質ではなく燃焼という現象のことを指します。

燃焼という現象によってが放出され、それを目や肌で感じ取っているだけなのです。

燃焼とは、可燃物が空気中または酸素中で光や熱の発生を伴いながら、比較的激しく酸素と反応する酸化反応のことです
広義には、生物が酸素とグルコースブドウ糖)を二酸化炭素と水に変える呼吸という現象も燃焼に含まれます。また、酸素ではなく塩素やフッ素などが可燃物と反応する現象も燃焼の一つと言われています。

つまり、火は燃焼という現象の一部というわけです。
燃焼=火だったら、呼吸をしているとき体の中で火が発生していることになりますから(どこぞの飲料CMでありましたね笑)

 

では、どうやって火は発生するのでしょうか?

 

火の発生条件

火は以下の3つの条件で発生します。

1.可燃物

2.酸素

3.発火点以上の温度

 
1.可燃物

火を発生させるのに必要な物質です

例)ガソリン、炭、ガス、乾燥した木など

 

ちなみに、ガソリンや灯油、サラダ油などはそれ自身は燃えず、揮発した気体に熱が加わることで燃えるものだと思っている方がいるかもしれませんが、ある温度(発火点)を超えるとそれ自身も燃えます。(ガソリンの発火点は約300℃、灯油の発火点は約220℃、サラダ油の発火点は約350℃)

これらの引火物は引火性のある可燃物と呼ばれ、可燃物の一部と言えます。

引火性のない可燃物(炭など)は存在しますが、可燃性のない引火物は存在しません。

 

2.酸素

酸素は自身は燃えずに可燃物を燃焼させるのを手助けします

真空状態や無酸素状態では火は発生しません。

 

3.発火点以上の温度

1.でも説明しましたが、可燃物は発火点以上の温度でないと燃焼しません

大抵の可燃物は酸素があっても常温では燃えません。常温でも燃えるのは自然発火性物質(リンなど)といい特殊な容器で保管しなければなりません。

ガソリンだって漏れただけでは燃えませんよね。

だから摩擦熱や電流、光などで可燃物をその発火点以上の温度に温めなければ火が発生することはありません。

逆に言うと、一度火が発生してしまえば、発火点以上の温度という条件がクリアするので可燃物と酸素分子がなくならない限り燃え続けます。

酸素や可燃物が十分にある山や家での火事がなかなか消せないのはそのためです。

 

火の正体を知るまでの歴史

ところで、昔の人は最初から火を、熱や光などのエネルギーととらえていたのでしょうか?

否、昔の人は火を物質や元素と考えていました。

1.燃素説(フロンギストン説)

1697年、ドイツ人のゲオルグ・エルンスト・シュタールは「燃えるものはすべて燃素(フロンギストン)を含んでいるから燃える」という説を提唱しました。

これは古代ギリシアの、全ての物質は「火・空気・水・土」の4つの元素の組み合わせでできているという「4元素説」を参考にしていたと考えられます。

可燃物が燃えると燃素が放出され、燃え切った物質は軽くなるということです。

しかし、この説には致命的な欠点がありました。

それは、燃えることで質量が増加する金属について説明ができないからです。

燃素が減っているのに質量が増えるのはおかしいのです。

シュタールは、この欠点に対し「燃素は、放出されると上空に消えていくため負の質量をもっている」と主張しました。(さすがに無理ある)

 

2.熱素説(カロリック説)

燃焼によって金属の質量が増える現象について説明できるようになったのが1789年にアントワーヌ・ラヴォアジェが提唱した熱素説(カロリック説)です。

熱素説では、金属の質量増加の原因を金属と空気が結びついたからだといい、火の正体である燃素(フロンギストン)を熱素(カロリック)に名前を変え、熱素は質量が0であるとしました。

温かいものから冷たいものへの熱の伝導は、熱素が移動しているからだと主張し、さらに金属が熱くなると膨張する現象を熱素が金属の中に入ってくるからだと主張しました。

このような説明によって、当時の科学者は熱素こそが火や熱の正体だ!と信じ切ってしまいました。

しかし、熱素説にも決定的な欠点があります。

それは、摩擦熱について説明できないことです。

水中で物体をドリルで削った実験で、水が永遠に温まり続ける現象を説明できませんでした。熱素という元素が熱の正体なら熱素による温度上昇は有限であるはずなので、ドリルを永遠と回し続けることで発生する無尽蔵の熱を説明できなかったのです。

 

3.熱運動説

摩擦によって温度が上昇する現象に対し、正しく解釈したのがジェームズ・プレスコット・ジュールです。

ジュールは、おもりと滑車、プロペラを使って水をかき回す実験によって、この現象を「おもりが運動することによってプロペラと水に摩擦が生じ熱エネルギーが発生しているにすぎない」と主張しました。つまり、摩擦という現象は、運動エネルギーが熱エネルギーに変わっているだけで、熱素のような有限の元素が移動しているわけではないということです。

結果的に熱の正体が、「分子や原子が接触した際に、その分子や原子の振動(運動エネルギー)が伝播すること」であるとされ、火は燃焼によって熱エネルギーと光エネルギーが放出された現象と解釈されるようになりました。

 

燃焼はなぜ起きる?

さて、ここからが化学的な話になりますが、そもそもなぜ燃焼は起こるのでしょうか?

単純な化学式である、炭素の燃焼を例に説明します。

C + O₂ → CO₂ + 熱・光エネルギー

炭素は、酸素がある状況で発火点を超えるとこのような燃焼反応を起こします。

※実際には、この反応の過程でCO(一酸化炭素)になりますが、省略させていただいています

 

なぜ、わざわざCO₂になろうとするのでしょうか?

それはO₂(酸素)よりもCO₂(二酸化炭素)の方が安定的な分子だからです。

安定的というのは、分子間の結合が強いということです。

ただ、O₂もちゃんと結合しているため常温では燃焼は起きません。

結合を引きはがすのにより大きいエネルギー(熱)が必要なため、高温な発火点が必要となります。

 

そしてもう一つ、なぜ燃焼の際に熱や光が発生するのでしょうか?

これは磁石を例にして考えるとわかりやすいです。

磁石はS極とN極に分かれており、2つの磁石をくっつけるときは互いのS極とN極がくっつきますよね。

このS極とN極を炭素と酸素としましょう。2つはある一定の距離(これを発火点とみなす)に近づくと互いにくっつきます。このくっついた磁石がCO₂です。合体する際に運動したエネルギーを燃焼によって生じた熱・光エネルギーとみなすとわかりやすいでしょう。

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イメージ図

 

まとめ

いかがでしたか?

今回もうまい説明ができませんでしたが、少しでも火や燃焼について理解してもらえたらうれしいです。

火は便利であると同時にやけどなどを起こす危険な現象であるので取り扱いにはご注意ください。

万が一料理中、油をこぼしてコンロの火によって油が着火してしまったら水をかけるのではなく、濡れたタオルなどをかぶせてください。タオルで酸素の通りを悪くすることで火は次第に消えます。

機会があれば消火剤の仕組みや火が燃え移った時の対処についての雑学も書いていこうと思うので今後ともよろしくお願いいたします。

それでは次回もお楽しみに!

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