うんちく星人の雑学部屋

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冬になるとオシッコの回数が増えるのはなぜ?

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こんにちは。うんちく星人です。

 

11月に入りどんどんと寒くなってきましたね。

皆さんは、寒くなると頻尿になりませんか?

私は、水を飲んだらすぐトイレに行きたくなって困ります(笑)

運動していれば頻尿にはならないんですけどね。

 

そこで今回は「なぜ、冬になると頻尿になるのか」について解説していきたいと思います!

そもそもオシッコの役割って?

オシッコは腎臓で作られる

オシッコを作っているのは腎臓です。

そもそも、オシッコは老廃物(身体に必要がなくなったもの)や食物中の毒素(アルカロイドなど)を排泄するために作られます。

しかし、腎臓の役割はそれだけではありません。

腎臓が担っているのは、体液の量と成分を一定に保つこと。

体液の量は循環する血液の量と関わっており、多すぎると高血圧に、少なすぎると循環に不具合が生じます。

汗をたくさんかいたときやお酒を飲んだ時に水分補給をしないと頭がぼーっとしたりするのは、体液の量が減り循環能力が弱まっているからです。

また、体液の成分が変動すると細胞は生きていくことができません。

 

【蛇足】体液の主な成分

体液は主に、血漿(けっしょう)、組織液、リンパ液の3つのことを指します。

血漿:血液中の液体成分のこと。食物から得られた栄養素を体中に運搬する役割をもつ。血液の固形成分は、赤血球、白血球、血小板。

組織液:血管内から管外へ血漿が染み出たもの。組織液は細胞と細胞の間を満たしており、主に血液から流れてきた栄養や酸素を細胞に供給する役割を持つ。

リンパ液:リンパ管にある体液。組織液から細胞が不要になった物質や脂肪を取り込む。白血球や免疫系のタンパク質の運搬も担っており、免疫に欠かせない体液。

 

血漿の成分>

・水分:90~91%

・タンパク質:7~8%

 →アルブミン、αグロブリン、βグロブリン、γグロブリン

・その他:1~2%

 →グルコース、ミネラル、ビタミン、ホルモン、脂質他

血漿と組織液の成分はほぼ同じです。

 

オシッコで体液の塩分濃度を保つ

腎臓の働きのうち特に重要なのは、体液の成分を一定に保ち、体内の水分と塩分の量のバランスをとることです。

人間の体液の電解質*1濃度は約0.9%です。点滴などで使われる生理食塩水も食塩のみで電解質濃度を0.9%に調整されています。

※ここでは、わかりやすくするために電解質濃度=塩分濃度とします。

飲み物を飲みすぎて水分が増え、塩分濃度が下がれば、余分な水分を多く含んだオシッコを外に出して下がった塩分濃度を元に戻します。

また、汗をたくさんかいたり、水分補給が不足して体内の水分が不足した場合、塩分濃度が上がってしまいますので、塩分を多く含んで水分の少ない濃いオシッコを少量出すようにしてバランスを保つわけです。

 

冬になると頻尿になる理由

寒くなるとすぐにオシッコがしたくなりますよね。

この原因は2つ考えられます。

 

ひとつは、夏と比べ汗をかく機会が減って塩分の流出が減るのに対し、喉の潤いを保つために水分をたくさん摂るため、体内の塩分濃度が下がってしまうのを防ぐためにオシッコをたくさん出そうとすることです。

たしかに、冬は乾燥しますから必要以上に水を飲んでしまいがちですよね。

 

もうひとつは、脳が寒いと感じることでバソプレシンという抗利尿ホルモンの分泌が低下してしまうことです。

バソプレシンは交感神経が優位になることで分泌が抑制されます。寒いときは交感神経を優位にして血管を収縮することで放熱を防ぎます。この時、バソプレシンの分泌が抑制されるため、利尿作用が働き、あまりオシッコが溜まっていなくても尿意が来てしまうのです。

 

頻尿を防ぐ方法

誰でも簡単にできる頻尿対策は4つあります。

①体を冷やさないようにする

身体は寒いと感じると、交感神経を優位にさせバソプレシンという抗利尿ホルモンの分泌を抑制してしまいます。ですから、暖かい服を着たり部屋を暖めることで身体が暖かいと感じられるようにすれば、バソプレシンをしっかり分泌させることができ、頻尿を防ぐことができます。

実際、寝ている間にほとんどトイレに行かなくて良いのは、布団で身体を暖めることでバソプレシンが良く分泌されるためです。

同じ原理で、温かい飲み物の方が冷たい飲み物よりもオシッコが近くなりにくいです。

 

②乾燥している場所ではマスクをする

喉が渇いていると身体に十分な水分があったとしても水分を欲してしまいます。

水分を過剰に摂取してしまうと体内の塩分濃度が低下してしまいオシッコから水分を排出しようとします。

ですから、喉を乾かさないことが重要となります。

冬は感染対策だけでなく頻尿対策のためにもマスクをつけましょう。

 

③緑茶やコーヒーで水分摂取をしない

誰でも知っていると思いますが、緑茶やコーヒーにはカフェインが含まれています。

カフェインは腎臓の血流量を増やす作用があり、腎血流の増加によって水分が多く排出され、尿がより多く作られます。

ですから、緑茶やコーヒーで水分補給すると余計脱水状態になります。

麦茶やデカフェコーヒーはカフェインが含まれていませんので、水分補給にはこちらを飲むといいでしょう。

ちなみに、お酒に含まれるアルコールはカフェインと少し利尿メカニズムが違い、バソプレシンの分泌を抑えることで利尿をもたらします。

 

④水に少量の塩を入れる

人間の体液の電解質濃度は0.9%です。つまり、体液と同じくらいの電解質の入った飲み物を飲めばいいのです。

500mlの水に食塩4.5g入れれば簡単に0.9%の電解質水ができます。

しかし、これだとしょっぱくて飲みにくいし、体液の電解質は食塩(正確にはナトリウムと塩素)だけではありません。

これに対し、体内の他の電解質も含んだ飲料がOS-1などの経口補水液です。味もただの食塩水よりは良いと思います。

また、ポカリスエットアクエリアスなどのスポーツ飲料も頻尿対策に良いでしょう。

 

まとめ

いかがでしょうか。

とりあえず、寒くなってきたら防寒と温かい飲み物を飲んで頻尿を防ぐことを心がけましょう。

ちなみに、コーヒーやお酒を飲んだわけでもないのに睡眠中によくトイレに行く人は自律神経や脳下垂体後葉になんらかの異常があるとみられるので、薬局に行ったり病院に行くことをお勧めします。

今回は一般的な知識とニッチな知識が入り交ざっていてわかりづらかったかもしれません。

なるべくわかりやすく説明できるように努めてまいりますので今後ともよろしくお願いします。

ではまた!

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*1:電解質:溶媒中に溶解したときに陽イオンと陰イオンに電離する物質のこと。広義にはナトリウムやカリウムなどのミネラルのことを指す。